春が来て観光客が増え、ヴロツワフの街がにぎやかになってきました。

稽古場ではダーヴィッシュ・タンゴ(dervish tango:古代イスラム教の修行僧たちが修行で行う、長時間回転し続ける踊り。スーフィーのダンスとしても知られる。)の専門家を招いて、2週間の集中トレーニングを行いました。とても言葉では言い表せないほど強烈な体験でした。動きとしては単純なのです。ひたすらくるくると回転し続ける。すると視界がぼやけ、脳が「正常」な感覚からずれ、日常的にこの世界を認識している「自分」が消滅していきます。論理的思考や、「私」と他者を識別する能力をつかさどる左脳のスイッチが切れ、直観的にすべてと融合して存在している状態になります。瞑想よりも入りやすく、アルコールやドラッグよりも安全なトリップという感じです。もちろん初めは体が混乱をきたし、バランスがとれなくなったり吐いたりします。とくに回転しながら頭の角度を変えることができるようになるのには時間がかかりました。体のバランスをとる三半規管が両耳についているからです。次第に、他の人とペアで回転したり、他の人を持ち上げたり持ち上げられたりとバリエーションを増やしていきました。作品中のひとつの大きなシーンを作るために、このダーヴィッシュの動きを元にして長時間の即興を繰り返しました。まさにcrazyな世界です・・。

そして歌の稽古も相変わらず続いています。14か国から集まった17人のパフォーマーたちの結束がどんどん強くなっています。止まっていても回転している感覚、船酔いのような感覚が消えない・・。この船旅、次は何が待っているのでしょうか。。